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日本図書館研究会研究例会(第225回)報告


日時:
2005年3月25日(金) 19:00〜21:00
会場:
大阪市立弁天町市民学習センター
発表者 :
高鍬裕樹(大阪教育大学)
テーマ :
冊子『デジタル情報源の検索』を作成して
参加者:
13名

 『デジタル情報源の検索』(以下,冊子)は発表者の高鍬氏が司書課程科目である「情報検索演習」で使用するテキストとして作成されたものである。今回はこの冊子(2005年版改正版)を作成された動機,作成過程で工夫されたこと,この冊子を使った授業での学生の情報検索行動などを通して感じたことを中心に,今後の情報検索演習科目の在り方についても言及された。

1.冊子を作成した動機

 「情報検索演習」は「レファレンスサービス演習」と対をなす科目であるが,従来の「情報検索演習」ではコンピュータ操作などに中心があり,レファレンスと関連する情報検索スキルを学ぶ内容としては不満があった。レファレンスサービス演習では主として冊子体のレファレンスツールを使用するが,情報環境の変化に対応するとともに,インターネット情報源にも信頼性の高いものもあることから,インターネット情報源の活用を試みた。

2.冊子の活用

 冊子は全13章からなり,情報源の種類や情報検索の基礎とともに,第3章以降はサーチエンジンの検索,書誌情報の検索,新聞・ニュース・雑誌・新聞記事検索,一般的情報,人物・団体,地名・地理,法律・統計,政治・経済,趣味的情報の分野毎に使用するサイトを指定し,これらを活用した演習問題が付されている。演習問題の内容も学生の情報検索行動をよく観察した結果を反映し,工夫をした。この冊子で指定したインターネット情報源は約300件にのぼり,URLの更新などに時間が掛かる。

3.まとめ

 一般の利用者がさまざまな情報源を活用した情報検索スキルを獲得するには時間が掛かる。今後の司書には冊子体は当然,インターネット情報源の活用も含めて,利用者の情報探索を支援するスキルが求められるのではないか。

発表後,質疑応答も活発に行なわれた。

(文責 川崎千加 羽衣国際大学学術情報センター)