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整理技術研究グループの歴史

日図研50年史から

0 整研前史

1957年8月3日、日図研理事会は、藤田善一(京都府立図書館)、森耕一(和歌山県立医大)を発起人とした整研設立の申請に承認を与えた。

1 草創期(1957.10−1965.4)

1.1 NDC6版と分類コード(1957.10−1959.2)

1957年10月5日、整研最初の例会が大阪市立図書館(天王寺、本館)で開かれた。世話人は片山良爾だったが程なく前畑典弘に交替。改訂方向にあったNDCに照準をおいた研究から始めた。

1.2 分類目録、件名目録(1959.3−1959.12)

森耕一中心に分類、主題目録検討から始まった。

1.3 著者書名目録、目録原則(1960.1−1962.9)

「パリ目録原則(ICCP)」(IFLA)が出る(1961.10)。これの草案等の研究で、1970年ごろまで継続。この期末、世話人が前畑典弘から拝田顕(現・真紹)に交替した。

1.4 NDC7版の検討(1962.10−1965.3)

1963年5月、世話人が上田格へ交替した。

2 本格的なグループ研究へ(1965.5−)

2.1 NCR批判と整理技術論(1965.5−1966.8)

1965年5月に出たNCR1965年版を強く批判した。ここで世話人が藤沢徳男に交替。

2.2 ICCPと目録思想史(1966.9−1968.3)

1966年9月、「ICCP議事録報告」を読む。
1967年12月2日 整研10周年記念が大阪大学中之島図書館で開かれた。記念講演は加藤秀俊。パネル・ディスカッションは、若手の論客、光斎重治、酒井忠志、坂本徹朗;上田格(司会)が担った。

2.3 記述独立方式論文の検討(1968.5−1970.9)

この時期、記述独立方式(以下、「記述独立」)論文とそれへの批判論文を検討。
1969年5月 世話人が藤沢徳男より小野泰昭に交替した。
1970年9月「『市民の図書館』(JLA1970編刊)を読む会」(図書館問題研究会大阪支部と共催)司会:酒井忠志。提起:塩見昇、辰巳義幸、藤井千年。

3 記述独立方式目録規則の策定(1970.9−1975.3)

1971年1月20日に小委員会が規則の策定を始め、後1974年、「図書館目録規則(案)」に仕上げた。小野泰昭、浅野十糸子、岡崎すばる、志保田務、西田道子、武内隆恭、前畑典弘が委員会を構成した。

4 NCR新版へのかかわり(1975.4−1977.7)

世話人・小野泰昭が辞任。委員会制:浅野十糸子ほか7名。山田伸枝(庶務・会計)。
「図書館目録規則(案)」発表。JLAがこれを取り入れたNCR新版へ急ぐ。
『界』150号記念「目録法の進歩」/整理技術研究グループ(小野泰昭、志保田務、上田友彦)
1976年11月 研究大会(日本図書館学会と共催)発表「図書記号について」山下信、三浦整
1977年11月「日本目録規則新版(案)における用語および用語解説について−批判」/整研編(『界』29(4)1977.11,pp.119-134,173)

5 印刷カードへの関心(1977.10−1979.3)

このころ、出版流通の過程で印刷カードの頒布問題が起こり、「整理委託」問題等に及んだ。
研究大会発表「主題目録の排列(1)件名目録の排列基準を中心に」/藤井千年
同シンポジウム 目録情報サービス発展のために:基調提案/石塚栄二、NCR新版・印刷カード・書籍コード/光斎重治、業者カードの現状とそれが提起しているもの/志保田務。以上『界』29巻5号,30巻1号,1978.1収載
1979年3月 我が国における印刷カード事業の史的考察:今日的課題への文献レビュー的アプローチ/整研(『界』30(6)1979,3)

6 分類への関心(1979.3−1980.3)

前年1978年5月発行のNDC新訂8版の序説、助記法、分類注記などについて研究した。
1979年10月 委員会庶務、山田伸枝から山野美贊子へ。
11月 NDC分類セミナー(桃山学院大学昭和町学舎)もり・きよし、鮎澤修

7 NCR新版予備版の適用(1980.4−1981.2)

1981年2月 研究大会発表NCR新版予備版適用上の問題点:総論/志保田務、各論/山野美贊子

8 目録利用調査、逐次刊行物(1981.3-1982.4)

NCR中の図書以外の資料に関する規定の検討と目録利用調査法が残った。利用調査研究に入る。
1982年1月 庶務:山野美贊子から山下信へ。書記:吉田暁史、会計:蔭山久子。

9 主題索引法への興味(1982.5−1984.3)

主題関係研究は、列挙型の書架分類のNDC検討を中心とし、件名目録については実施館の報告を受ける域を出ていなかった。文献検討から始める。
1983年4−12月 Vickery,B.C.:Faceted classificationの輪読。教育分野分類検討
12月 BC2の構造/山田常雄ほか。

10 NCRの本版案の検討(1984.4-1987.1)

1984年4月 庶務:柏田雅明に。
1985年1月 『界』36巻5号(通号200号)『特集わが国における図書館・図書館学の発展:昭和50年代を中心に』に収録の「目録界の動向」「主題検索法の現状を探る」/志保田務、大城善盛ほか

11 主題関係と書誌階層の追究(1987.1−1988.5)

NCR1987年版に登場した「書誌階層」概念に対して、案の時代から論じてきた。
1988年5月 情報の整理と提供:大学図書館員30年間の関心事/光斎重治(例会講演)

12 シソーラス目的の入力挑戦(1988.11−1989.4)

1989年3月 研究大会発表「図書館・情報学分野のシソーラスの作成」/吉田暁史、能美純子
4月 現場からみた整理/椎葉もと子

13 コンピュータ化及びBC2(1989.5−1989.10)

5−10月 BC2輪読会
庶務担当:前川和子から柏田雅明へ。書記・能美純子、田窪直規。

14 NCR1987年版の実用施策(1989.11−1990.2)

NCR1987年版の実用施策を打ちだそうとした。またシソーラス等に関する研究会等も続けた。

15 9版に向けたNDCの検討(1990.3−1990.6)

NDC9版への始動が見られた時期で、整研もそうした動きに合わせた研究を中心に活動した。

16 目録用コンピュータ諸システム:書誌ユーティリティ、ネットワークなど(1990.7−1991.5)

コンピュータ目録の時代。NACSISを照準においた書誌ユーティリティ論が戦わされる。
1991年5月 庶務:野口恒雄へ交替。

17 より舞台を広げて(1991.5−1993.12)

さらに新しい舞台での活動が始まる。TP&Dと「書誌調整を考える研究集会」である。
1991年9月 第1回TP&Dフォーラム 於:淀川会館
整研からの発表:書誌記録の単位・レベル;議論の蓄積とその意義/志保田務(田窪直規委員長)
1992年2月 研究大会「公共図書館におけるOPAC−ネットワーク環境における書誌情報の展開」/芝勝徳、北克一
8月 第2回TP&Dフォーラム「日本目録規則1978年版(NCR87)の規則構造」/野口恒雄ほか
9月25日 発起人:藤田善一逝去
11月5日 発起人:森耕一逝去
1993年3月『整理技術研究収録』I(整研発刊)構成部分の記述:将来の目録/古川肇 NCRの初歩的論理性における問題点/吉田暁史 コンピュータと郷土資料検索手法/藤井千年
9月 第3回TP&Dフォーラム「我が国における主題索引ツール統合の試み」/北克一、芝勝徳
11月 『目録と分類の理論:森耕一と整理技術論の発展』日図研。“聞き取り”志保田務/北克一
11月 「森耕一さんを偲び出版を記念する集い」報告/志保田務、北克一 整研関係者出席多数。
12月11日(土)整研35周年記念パーティ(なにわ会館)。兼:12月例会。記念講演「『目録編成規則』の成立前後」/石塚栄二 「活動報告・資料から見た整研の活動」/志保田務 記念パーティ:52名 日図研天満理事長、塩見事務局長も出席。
『日本図書館研究会・整理技術研究グループ史:戦後整理技術研究の一断面』(志保田務編著)を整研より発行(1993年12月)、55p、23cm.

18 NCR、NDC改訂に対して(1994.1−1996.2)

1994年2月 研究大会発表「目録法の蓄積と現代的課題」/志保田務、北克一
9月 第4回TP&Dフォーラム
1995年1月 阪神淡路大震災によって中止
2月 研究大会発表できず
5月 『第4回TP&Dフォーラムシリーズ』田村俊明、三浦整、吉田憲一編 びぶりおん発行
9月 第5回TP&Dフォーラム:北克一、芝勝徳、志保田務など発表
1996年2月 研究大会発表「オンライン時代の分類法:NDC新訂9版の刊行を目前にして」/吉田暁史、野口恒雄

19 国際的視界(1996.3−)

3月 庶務・吉田暁史に交替。
4月 AACRの批判者としての初期Gorman/古川肇
11月に来日するM.ゴーマンを焦点に活動した。

以上、長年充実した活動をしている。

(志保田務 『図書館界』48巻4号pp.237-239より)