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《論文抄録》
『図書館界』49巻3号 (September 1997)

図書館職員のグレード制を考える

大澤 正雄

はじめに,東京都における専門職制度への動きを紹介しながら,わが国における専門職の位置づけ及びその職務内容を考察する。その上で,専門職制度が 確立したとされているアメリカにおける職務分析結果を重ね合わせて考えると き,わが国においては「職の分離」が明確にされていないことを明らかにする。
そして,職務の分担を制度化することなしにグレード制を導入することは早計であろうと結論づける。学歴や権力的権威にもとづくグレード制は,利用者住民を大事にする図書館運営の基本と相反することになり,日本の図書館の発展を歪めてしまうと述べる。