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《論文抄録》
『図書館界』54巻1号 (May 2002)

複本購入の問題に関する総合的研究

(シリーズ・21世紀の図書館を展望する・5)

山本昭和

 公立図書館における複本購入の問題について,今どのようなことが論点となっている のかを整理した。
 「蔵書の多様性が損なわれる」「ブームが去った後に残骸をさらす」「待たせればよ い・買わせればよい」「質が低い・長期的価値がない」「少数派に不公平だ」「貸出至上主義」「市場至上主義」「出版界を圧迫している」といった批判的な意見があった。
 知る自由の保障という公立図書館の役割を尊重する立場から,これらの意見に対して反論を試みた。