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《論文抄録》
『図書館界』71巻4号 (November, 2019)

改正図書館令における中央図書館制度の成立と運用に関する意見の検討

仲村 拓真

 1933年の改正図書館令による中央図書館制度の再解釈を試みるため,成立当時の雑誌記事,会議録等を史料とし,成立及び運用をめぐる関係者の意見を分析した。結果として,代表となる図書館が他館を指導する考え方は図書館令改正運動が初出ではないこと,成立の経緯では,日本図書館協会に比べ,青年図書館員聯盟では大きな関心事とならなかった可能性があることなどを明らかにした。運用については,@活動内容の問題,A活動条件の不備,B図書館間の関係性,C中央図書館の実態把握,に関して,批判や問題点の指摘があったことが判明した。

(なかむら たくま 青山学院大学)