TOP > 事業計画 / Last update: 2018.6.10

以下に掲載の事業計画案等は、2018年6月3日開催の本会評議員会で承認されました。

本ページには、『図書館界』70巻1号(2018.5)掲載の日本図書館研究会決算・予算・事業計画関連文書のうち、事業計画(案)と各役員による説明・呼びかけ文を掲載しています。決算・予算表等は省略していますので『図書館界』と合わせてご覧ください。

理事長 / 事務局長 / 編集委員会 / 研究委員会 / 奨励賞 / ブロックセミナー担当


2017年度決算報告・2018年度事業計画・予算案


2018年度事業計画等の提案にあたって

理事長 前田章夫

  図書館界はこの1年も様々な動きがありました。その動きが明るい将来を指向するものであれ
 ばまだしも,それを見通せない厳しい状態が続いています。
  『日本の図書館2017』によると,公立図書館,大学図書館ともに資料費や正規職員数が減
 少し,その結果サービスの低下を招いていることが明らかになっています。
  公立図書館では,図書館数が3,273館と前年度から12館増えたにもかかわらず,個人貸
 出冊数は減少しています。1館当りでは21万点と,2000年度の水準まで戻っています。ま
 た2017年度資料費予算は292億8千万円(1館当り895万円)と前年度から増加していま
 すが,90年代の水準にはまだまだ及びません。職員に関してはさらに深刻です。専任職員数は
 1万203人と前年度からさらに191人減り,減少が止まりません。他方,非常勤・臨時職員
 は1万7,126人,委託・派遣職員は1万2,488人と過去最高を更新しています。また有
 資格者の割合は,専任職員では52.2%であるのに対し,非常勤・臨時職員や委託・派遣職員
 の場合は,各々54.4%,57.0%と高くなっており,図書館の現場がこの人たちによって
 支えられていることを示しています。
  大学図書館(4年制)も同様で,2016年度資料費決算額は669億2千万円と前年度より2
 億6千万円減額しています。専従職員数は4,311人で131人減,非常勤・臨時職員は4,
 183人で1人減。派遣職員等は3,913人で164人の増となっており,貸出数も82万点
 ほど減少しています。
  資料費や図書館職員の減少は,図書館界の将来に大きな影を落としており,当会の会員数の減
 少にも繋がっています。今後,なお一層の当会への入会や研究集会等に参加してもらえるような
 働きかけを強化していく必要があります。会員の皆さんも周囲の人たちへの声かけなど,会員増
 へ のご協力をよろしくお願いいたします。
  当会では会員減少に伴う会費収入の減少に対応するために,会の活動に大きな支障が出ないよ
 うに配慮しつつ節約に心がけていますが,厳しい状態が続いています。さらには個人会員の減少
 に加えて,団体会員や会誌購入館の減少も続いています。これは収入減だけでなく,多くの図書
 館 員や市民の方々が『図書館界』を見る機会がなくなってしまうということを意味しています。
  こうした中で,2017年度には『文化の朝は移動図書館ひかりから:千葉県立中央図書館ひ
 かり号研究』と『読書の自由と図書館:石塚栄二先生卆寿記念論集』という2冊の新刊を刊行し
 ました。また年度末には名誉会員であった岩猿敏生氏の『岩猿敏生先生著作集』を刊行しました。
 さらに伊藤昭治氏の著作集の刊行準備も進めています。販売収入だけでなく,当会のことを多く
 の方に知っていただく一助にできればと考えています。
  当会は2021年に創立75年を迎えます。2016年度に創立75周年記念事業を実施する
 ことを決定し,2017年度からは『75周年記念誌』の編集・発行をはじめとする具体的な作
 業に取りかかり始めています。しかしこの作業は,理事や評議員といった役員だけでなし得るも
 のではありません。多くの会員の皆さんの協力がなければ実現が難しい事業です。会員の皆さん
 の積極的なご協力をお願いいたします。
  以下に掲載する事務局長および各委員長,担当からの提案説明,事業計画,予算案などの内容
 を検討していただき,6月3日開催の評議員会(当会の実質的な最高議決機関)の審議に向けて,
 会員の皆さんが多くのご意見,ご提言をお寄せ下さることを期待しております。お寄せいただい
 たご意見等は当日の討議の資料として活用させていただきます。
                                   (まえだ あきお)

事業計画・予算案の提案説明−財政健全化へ向けて−

事務局長 松井純子

 1.2017年度決算
  2017年度決算は,一般会計で昨年以上に厳しい結果となりました。主な理由は,会費収入
 の減少と事務所移転による支出の増加です。
 まず一般会計の《収入》ですが,「会費」収入が予算を36.6万円下回りました。理由として
 は,会員数700名で予算を立てたところ640名程度にとどまったこと。これは,実際の会員
 数が640ということでなく,会員の皆さんが会費を納入されるタイミングによって17年度収
 入に計上されるか18年度収入に計上されるかの違いです。昨年同時期は,17年度会費を16
 年度に前納された会員が222人おられましたが,今年,18年度会費を17年度に前納された
 のは156名でした。その分会費収入が少なくなりました。
  しかし,実際のところ,会員数は毎年少しずつ減少しています。個人会員だけでなく団体会員
 も減少傾向にあり,書店等を通じて『界』を購入する団体もわずかですが減少しています。その
 ため,「『界』売上げ」も予算を下回りました。「広告料」「雑収入」は予算を上回りましたが,
 結果として《収入》全体では,当初予算から約22.8万円の減収となりました。
  次に一般会計の《支出》です。ほとんどの費目で予算内に抑えられましたが,「国際交流費」
 は約26万円の予算オーバーとなりました。これは,国際図書館学セミナーで上海図書館から招
 聘した発表者3名の渡航費を日図研で負担したためです。通常,セミナー渡航費は派遣元が負担
 するのですが,上海側の事情で,今回に限り日図研が負担しました。次回セミナーでは,日図研
 が派遣する発表者の渡航費を上海が負担することになっています。なおこの「国際交流費」は,
 2016年度評議員会での指摘を受けて,特別会計の「上海市図書館学会との交流費」を一般会
 計に移し,元々一般会計にあった「国際交流費」と一本化したものです(2017年度からの措
 置)。
  また,事務所移転にともなう支出を賄うため,17年度決算では,特別会計から一般会計に1
 40万円を移し(うち30万円は「国際交流費」),「予備費」として約100万円(事務所礼金,
 引っ越し代,会議机・イス等),「事務局費」として約10万円を執行しました。
  「雑誌刊行費」では『界』J-STAGE搭載費(68巻1号〜69巻5号)を執行したことで,51
 巻 以降のすべての号をJ-STAGE上で公開できました。
  「印刷費」では『界』発送用封筒を透明(OPP)封筒に変更して,支出を抑えました。
  「組織強化費」では,入会案内パンフレット1100部を新規作成して,会員獲得に活用してい
 ます。
  一般会計は,最終的に約112万円を次年度に繰り越すことができました。しかし,16年度
 に続き17年度も,年度の収入だけで支出を賄うことができていません。このような状況は18
 年度も続くことが予想され,予算編成の抜本的な見直しが不可欠です。
 特別会計に移ります。刊行物の売上げ額を示す《収入》は,2017年度も予算を約15万円上
 回りました。『図書館資料の目録と分類』増訂第5版が引き続き好調でしたが,新刊『文化の朝
 は移動図書館ひかりから』は想定を下回りました。同じく新刊『読書の自由と図書館』は売れ行
 き好調でした。既刊分はすべて予算を下回りました。
  一方《支出》は,「出版物印刷費」で『移動図書館ひかり号』の印刷代金を執行しました。
 『読書の自由と図書館』は著者が印刷代金を全額負担のうえ,現物を日図研に寄贈していただい
 たため,印刷費の負担はありません。また上述のように,一般会計の予算不足を補うため,一般
 会計に140万円を移しました。そのため,次年度繰越金は16年度と比べて約40万円減りま
 したが,全体的には堅調でした。
  第2特別会計(図書館研究奨励賞基金)に移ります。《収入》は利息が多く付きました。《支
 出》は受賞者(p.344参照)への副賞,事務費などです。
  第3特別会計(75周年記念事業積立)は創立75周年を迎える2021年度までの5年間限
 定の会計です。一般会計の「雑収入」と寄附金が収入となります。17年度は多額の寄附があり,
 《収入》が一気に増えました。《支出》は少なく,ほぼ全額繰り越しました。
  以上の結果,2017年度は,一般会計112.2万円,特別会計2116.2万円,第2特
 会1082.5万円,第3特会229.6万円と,多額の繰越金を確保できました。しかし一般
 会計の単年度収支は,収入の合計額803.2万円(前年度繰越金・特別会計からの繰入れを除
 く)に対し,支出が1140.8万円で,支出が収入を約337.6万円も上回っています。こ
 れは前年度繰越金309.8万円だけでは賄いきれず,特別会計から140万円を移して手当て
 しています。しかし,会費収入が増加しなければ,次年度も一般会計の赤字を特会の黒字で手当
 てすることになりますが,これは財政基盤の不安定化にほかなりません。会員数の維持による会
 費収入の確保と単年度収支の黒字化が,会の健全な運営には必須です。会員数の減少に歯止めを
 かける対策を講じることが急務となります。
 2.2018年度事業計画(案)
  昨年度は,事務所移転と通信総会の実施という二つの大きな事業がありました。2018年度
 は従来の事業計画にもどしつつ,2019−20年度役員選挙を2年に一度の事業として実施し
 ます。
  通常事業においては,『界』400号記念特集号(70巻1号,2018年5月号)の発行に
 大きな経費が見込まれます。50号ごとの節目に組まれる特集号は,「図書館・図書館学の発展」
 と題する20数本のレビュー論文で構成されるもので,1959年8月の第1回以来今回で8回
 目,文字どおり図書館・図書館学発展の足跡をたどるものとなります。ご期待ください。
  出版事業としては,『日本図書館学の奔流:岩猿敏生著作集』を刊行します。本会名誉会員で
 2016年4月に逝去された岩猿氏の研究論文選集です。
  創立75周年(2021年)記念事業は,今年度から本格的に事業の実施に取り組みます。
  ブロックセミナーは,18年度は関東ブロックでの開催(6月)が予定されています。ブロッ
 クの代表である評議員と地元の図書館員との連携・協力など,実施のための体制づくりが困難な
 状況もあるようですが,会員どうしの交流促進やブロック内の図書館活性化のためにも,ぜひ本
 事業をご活用下さい。なお国際図書館学セミナーは3年に一度の休催年に当たるため,本年は図
 書館学セミナーを開催します。
 3.2018年度予算案
  2018年度予算案は17年度予算・決算をベースに編成しましたが,一般会計・特別会計の
 支出を大幅に見直しました。
  一般会計の《収入》のうち「会費」は,個人・学生・団体会員ともほぼ実数どおりで予算化し
 ました。17年度よりも予算額が少なくなりましたが,現状ではやむをえません。
  一般会計の《支出》では,まず「雑誌刊行費」の予算を250万円増額しました。事業計画に
 あげた400号記念特集号刊行のための費用です。J-STAGE搭載委託費も,これに合わせて増額し
 ています。
  「研究助成費」に図書館学セミナー開催経費を上乗せした一方,「国際交流費」から国際図書館
 学セミナーの経費を除きました。
  「役員選挙費」は,前回選挙までは特別会計の費目でしたが,2016年度評議員会での指摘を
 受けて,今回から一般会計に移すことになりました。予算は前回選挙と同額です。
  「通信費」は,通信総会のための費用を除く一方,『界』400号増ページのための送料を見込
 みました。
  「事務局費」では事務所移転にともなう費用を除き,さらに予算額を減額しました。「予備費」
 でも事務所移転経費が不要になりましたが,課題であった手話通訳費10万円を見込むことにしま
 した。
  これら以外の費目では予算額を徹底的に見直し,ぎりぎりまで減額しました。しかしながら,支
 出合計1354万円に対し,18年度は収入が924万円(前年度繰越金を含む)しか見込めず,
 430万円が不足する事態となりました。よって,18年度も特別会計から430万円を一般会計
 に移す措置を採らざるをえません。こうした措置は今年度限りとすべく,財政の抜本的な検討と改
 革を進めていく所存です。
  次に特別会計です。《収入》では,『目録と分類』増訂第5版の売上げに17年度と同額を見込
 みました。また,昨年刊行の『文化の朝は移動図書館ひかりから』『読書の自由と図書館』の2点
 に加え,18年度は『日本図書館学の奔流』を新たに刊行します。販売ルートの確保に困難を感じ
 ており,図書館での購入にご協力いただきますようお願い致します。
  特別会計の《支出》では,「出版物印刷費」として200万円を計上しました。『日本図書館学
 の奔流』と『目録と分類』増訂第5版増刷のための経費です。「会合費」「編集費」「通信費」は
 減額しました。また17年度をもって天理事務所を閉じることになりましたので,「事務局費」を
 費目ごと除きました。
  上述のとおり,430万円を一般会計に移しますと,予備費に1721万円しか計上できません
 でした。
  第2特別会計は,《収入》《支出》とも17年度と同様の予算編成です。
  第3特別会計(75周年記念事業積立)は,一般会計の「雑収入」を振り替えて積み立てる以外
 は,寄附金が頼りです。《支出》に「会合費」を新設して予算枠を確保しました。
  以上,18年度は『界』400号の発行に大きな出費をともなう等の理由で,またも特別会計か
 ら430万円を一般会計に繰り入れることを提案せざるをえませんでした。のみならず,十分な会
 費収入を確保して単年度収入で単年度支出を賄えなければ,次年度以降も特会から一般会計への繰
 入れが続くと思われます。まさに,日図研の存続にかかわる事態です。
  今後は,収支を厳しく見直すだけでなく,それ以上の抜本的な改革が必要となります。理事会は
 早急に改革のための検討に着手しますが,会員の皆さまには,引き続き当会の運営にご支援を賜り
 ますようお願い致します。当会の大会・例会・セミナー等さまざまな行事に積極的にご参加くださ
 い。
* * * * *
  ここに掲げた決算報告,事業計画・予算案の審議と承認は評議員会の役割ですが,会員の皆さん
 の声をできるだけ反映させたいと思います。メールやFAX等でぜひご意見をお寄せください。当会
 の運営や行事についての感想・要望等でも結構です。
 送 付 先:当会事務局(下記4.参照)
 送付期限:2018年5月28日(月)必着
 評議員会:2018年6月3日(日)午後開催
 4.事務局への問合せ・連絡など
  入会申込や会費納入その他の問合せは,事務局までメールにてお知らせください。なお,本会ホ
 ームページ(http://www.nal-lib.jp/)に入会申込フォームや行事案内その他の情報を掲載してい
 ます。
  事務所には,毎週月・木曜日の13時〜17時に事務局員が常駐しています。直接の連絡はこの
 時間帯にお願いします。ただし,緊急の場合以外はできるだけメールまたはFAX,文書でご連絡く
 ださい。
 〒550―0002 大阪市西区江戸堀2―7―32 ネオアージュ土佐堀205号室
 TEL&FAX:06―6225―2530
 E-mail:nittoken@ray.ocn.ne.jp
                             (まつい じゅんこ 大阪芸術大学)


基本に沿った『図書館界』の充実を目標に

編集委員長 前川敦子

  『図書館界』編集委員長を務めて1年,多くの方々の力をお借りしながら何とか終えることができまし
 た。任期後半の2018年度は,基本に沿った,会員の皆さまの期待に応える『図書館界』を目指したい
 と考えております。どうぞ会員の皆様のお力添えをお願いいたします。
  以下,本年度の計画等をご紹介します。
 1.400号記念特集ほか
  昨年度より準備を進めてきた400号記念特集「図書館・図書館学の発展−2010年代を中心に」を
 今号でお届けします。この特集は本誌が継続して行ってきた,50号(8年半)毎に図書館界の動向や発
 展を文献レビューの手法で示す企画を継承したものです。今回は24本の論考を掲載しました。ご執筆い
 ただいた皆様に感謝申し上げるとともに,読者の皆様のご感想・ご意見をお待ちします。また例年通り研
 究大会特集,図書館学セミナー特集も掲載予定です。
 2.《論文》と《現場からの提言》
  この一年で『図書館界』に掲載した論文は7本,現場からの提言は久々に掲載がありませんでした。
  昨年度も書いた通り,『界』は学術雑誌としての性格と実践を重視した現場に資する活動や研究の発表
 の場という二つの側面を備えています。誌面の最も大きな柱は会員の皆さまからの投稿論文です。学術的
 な《論文》と,より実践的な報告・提言という位置づけである《現場からの提言》の2つのカテゴリーは,
 アカデミックな学術活動と図書館現場からの理論や実践をともに重視してきた本会の特長を示した枠組み
 でもあります。いずれも査読者による評価を経た上で掲載の可否を決定します。皆さまの積極的な投稿を
 お待ちします。
 3.《書評》と《新刊紹介》
  書評や新刊紹介は会員の皆さまへの重要な情報提供です。昨年度は書評11本,新刊紹介7本を掲載し
 ました。今年度も積極的に掲載していきたいと考えています。編集委員会から執筆を依頼させていただい
 た際にはぜひご協力ください。また投稿も受け付けています。1ページまたは2ページでご執筆いただき,
 編集委員会までご送付ください。編集委員会で採否の判断をいたします。
 4.《エコー》
  会員のみなさまの声や館界の動向をお伝えいただく手段として《エコー》を用意しています。昨年度は
 5本の投稿をいただきました。原則として1ページまででお願いしています。このカテゴリーもぜひご活
 用ください。
 また特に必要と認める場合には,上述の種類に当てはまらない記事を特例として掲載することもあります。
 編集委員会までご相談ください。
 5.『図書館界』69巻の報告
  その他の主な掲載記事は以下の通りです。
 ・《特集:2016年度図書館学セミナー》講演1,報告3,討議
 ・《特集:第58回研究大会》グループ研究発表5,シンポジウム・パネリスト発表4,討議
 ・国際図書館学セミナー報告
 ・《追悼》等
 6.J-STAGEからのオープンアクセス
  2017年5月に『界』全文公開のプラットフォームをJ-STAGEに移行し,51巻(1999)より公開
 しています。刊行後1年以降の号はオープンアクセスとしてインターネット上に無料で公開するとともに,
 個人会員の方には1年以内の号も閲覧できるID/パスワードを発行しています。ご不明な場合は事務局にお
 問い合わせください。
  以上,今年も編集委員一同,『界』の内容充実に努めてまいります。よろしくご協力ください。
                           (まえかわ あつこ 滋賀医科大学附属図書館)

研究委員会の主な事業について

研究委員長 日置将之

  研究委員長に着任してようやく1年が過ぎました。至らない点も多々ありましたが,会員の皆様のご協力
 と研究委員の力添えにより各事業を終えることができました。今年度もこれまでと同様,当会ならではの幅
 広い研究事業を実施できればと考えております。引き続き,ご協力をお願い申し上げます。
  以下,会員間の研究成果の発表・交流・学習等の場として,研究委員会が今年度担当する主な事業をご紹
 介します。
 1.研究大会の開催
  2018年度(第60回)研究大会は,2019年2月〜3月に,京都府内を会場に2日間の日程で開催
 する予定です。例年と同様,1日目は個人会員と研究グループの研究発表を行っていただき,2日目のシン
 ポジウムは図書館に関わる重要なテーマについて多角的に論議を行いたいと考えています。
 大会関連のお知らせは,本誌70巻3号(9月)に個人発表等の募集を,4号(11月)に大会予告を,5
 号(1月)に正式な大会案内を掲載する予定です。また,本会のウェブサイトやツイッターアカウントにお
 いても随時ご案内いたします。
 2.研究例会・特別研究例会の開催
  日常的な研究・活動報告の場として年間7回程度開催しています。会員・非会員を問わず基本的に申込不
 要・無料で参加可能とし,広く開かれた形での開催です。発表に関心がおありの会員はぜひご連絡ください。
 なお研究グループは,研究成果の公開を,研究大会のほか,研究例会での発表で行うことも可能です。
 特別研究例会は,評議員会の日程にあわせて午前中に開催します。本年度は,本号p.353に記載のとおり,
 6月3日(日)に同志社大学今出川キャンパスにて渡辺信一氏をお招きして開催します。
 3.図書館学セミナーの開催
  図書館学セミナーは,その時々に関心の高いテーマを設定して集中的に討議する場として開催しておりま
 す。今年度は,11月に兵庫県内を会場として1日の日程で開催いたします。詳細は,70巻3号(9月)
 にてご案内する予定です。また,本会ウェブサイトや本会ツイッターアカウントにおいても随時ご案内いた
 します。
 4.グループ研究への助成
  会員の皆様は,地域又は研究テーマごとに研究グループを組織することができます。また,会員7名以上
 から構成される研究グループについては,研究委員会で審査し,理事会での承認を得た上で,原則として年
 3万円を2年間にわたり助成しています。助成を受けた研究グループには,研究大会や研究例会,本誌誌上
 などでの研究成果の報告をお願いしております。研究グループの参加は全ての会員に開かれており,本誌誌
 上で予告されることがあります。
 既存の研究グループへの参加や新たな研究グループの結成については,これらの研究グループの連絡先や研
 究委員会にご相談ください。
 5.お願い
  研究大会・セミナー等のテーマや発表者についてご希望がありましたら,研究委員会までお知らせくださ
 い。また,研究大会・セミナー等の講師のお願い・会場提供のご相談をさせていただく場合がございます。
 ご協力のほど,よろしくお願いいたします。
  研究活動の伸展には会員の皆様のご指導が必要不可欠です。引き続き,皆様のご協力をお願いいたします。
                              (ひおき まさゆき 大阪府立中央図書館)

図書館研究奨励賞を若手・中堅の書き手へ

図書館研究奨励賞選考委員会委員長 前川和子 担当理事 常世田良

  日本図書館研究会の図書館研究奨励賞選考委員会は,機関誌『図書館界』に掲載された「論文」と「現場か
 らの提言」を対象に,図書館研究奨励賞を研究大会第1日目に授与しています。この賞の対象となる期間は,
 過去2年間に『図書館界』に掲載されたものです。本年度2018年度は,2016年11月号(68巻4号)
 から2018年9月号(70巻3号)に掲載された「論文」と「現場からの提言」を書いた若手あるいは中堅
 の方が対象となります。(本賞の詳細につきましては,本研究会ホームページ「図書館研究奨励賞」をご参照
 ください)。
  『図書館界』には,ベテラン,中堅,若手等が,各々の専門分野,様々な立場,問題意識をもち投稿し,査
 読の後に掲載されることになります。
  1990年第1回受賞の村岡和彦氏(当時大阪市立中央図書館員)以来,当選考委員会は伸びしろのある若
 手あるいは中堅にこの賞を授与しています。そのことによって,さらに図書館・図書館情報学発展のために研
 究を続けて頂くことを望みます。あるいは「現場からの提言」がもつ実践から理論への道を応援したいと思い
 ます。受賞された皆さんのその後のご活躍は,注目に値します。この賞によって自信と確信を得て,新たな研
 究への道のスタートにされることを確信します。
  この賞は,担当理事をはじめ,内外の選考委員によって選考委員会を組織していますが,それ以外に会員の
 皆さまのご参加も呼びかけています。会員全体の関心を集め,図書館および図書館情報学の新しい書き手を,
 見出すシステムをもっています。毎年第4号(11月号)に「日本図書館研究会2---年度図書館研究奨励賞選
 考にご参加ください」の見出しで,会員の皆さまの選考への参加(ご推薦)を募集しています。さらにユニー
 クな点は,「推薦」を「自薦または第2以下の共著者による推薦を含む」と広げているところです。もちろん
 「自薦」は,当委員会内の秘匿です。締め切りは12月の中旬です。日頃から機関誌をお読みになっている中
 で,会員の皆さまのご推薦を頂き,より選考が盛り上がることを期待しています。
  この奨励賞が受賞者にとってはもちろん,私達会員にとっても図書館・図書館情報学の未来を示すことを信
 じ,会員の皆さまと共に受賞者を応援したいと思います。
                  (まえかわ かずこ 前大手前大学)(とこよだ りょう 立命館大学)

ブロックセミナー開催のお誘い

ブロックセミナー担当 川ア千加 岸本岳文

  日頃,遠方まで研究会などに参加したくても行けない,という会員の方も多いかと思います。各地域で気軽に
 足を運んで,地元で図書館をテーマに議論できる場を設けたい。最新の研究成果に接することができる講演会を
 開催したい。地域の図書館活動の実践や,地元の図書館員の研究成果を発表する機会を設けたい。ブロックセミ
 ナーは,こうした要望に応えるために,各ブロックの会員の申し出によって開催されます。2017年度は高知
 市で開かれました。開催にかかわる経費は,原則として全額を日本図書館研究会が負担します。
  ブロックセミナーは会員の最も身近なセミナーです。また,セミナーの開催は各地での会員の交流を深めてい
 ただく機会ともなります。ブロックセミナーを通じて各ブロックにおける日本図書館研究会の活動が活発になる
 ことを期待しています。
  企画については担当理事の川ア,岸本にご相談いただくか,下記の事務局あてご連絡ください。
  連絡先:日本図書館研究会事務局
  電 話:06―6225―2530(月・木曜13時〜17時)
  E-mail:nittoken@ray.ocn.ne.jp
           (かわさき ちか ノートルダム清心女子大学)(きしもと たけふみ 京都産業大学)

過去の事業計画等