2005年度図書館研究奨励賞について

図書館研究奨励賞選考委員会
委員長 柴田正美


今年は「賞」も「佳作」もありません

 長いあいだ担当してきた伊藤昭治さんから,委員長を引き継ぎました。

 委員長が替わったからといってこれまでの奨励賞選考基準が変更されたわけではありません。従来通り,過去2年の間に『図書館界』に発表された論文のうち,次の5つの条件に当たるものを除きます。(1)編集委員会等の依頼原稿,(2)シンポジウム・セミナーでの発表を論文としたもの,(3)グループ研究を背景としたもの,(4)これまでに「賞」「佳作」を受賞した者によるもの,(5)もう「ベテラン」と思われる者によるもの。

 また,本賞の特色である「図書館活動に関わる論文」を対象とすることも維持しています。

 この方針のもとに,委員会で検討を行いました。 BR> 今年度の検討対象とした『図書館界』は,第55巻第4号(2003年11月発行)から,第57巻第3号(2005年9月発行)までの12号です。
 非常に残念なことは,上記の5条件を適用しますと,わずか3篇しか検討の対象にならなかったことです。この3篇には「図書館活動に関わる論文」も含まれています。

 選考は,私を含む5人の委員で行いました。
 選考の結果,2人の委員から「佳作」に該当するとの候補が挙げられていましたが,まだ図書館の現場への影響を想定しがたいとの意見も出され,見送ることとなりました。現場への影響は時期が異なれば再検討される可能性を持っています。

 今回の選考作業を通じて痛切に感じたことは,投稿される論文の減っていることです。図書館現場での実践を抽象化・理論化して論文へとまとめてゆく作業をすすめることは,館界の共有財産を蓄積し,図書館職員の社会的影響力を高めることにつながるものとなります。

 会員の皆さまに次のことをお願いします。
 多くの論文を投稿してください。
 次回の選考においては,私たち委員が優劣をつけがたくて困惑するような論文が集まることを期待して2005年度の図書館研究奨励賞の選考報告といたします。

(この報告は『図書館界』58巻1号に掲載)