日本図書館研究会評議員会報告

とき2006年5月28日(日)午後1時30分~午後4時45分ところ京大会館議題1) 2005年度事業報告
2) 2005年度決算報告
3) 2005年度監査報告
4) 2006年度事業計画案
5) 2006年度予算案
6) 意見交換議長脇坂さおり(滋賀県立図書館)


審議の概要

 塩見昇理事長の挨拶の後,議長に脇坂さおり氏を選出して審議を行った。各報告および事業計画,予算案は『図書館界』58巻1号参照。その概要は以下のとおり。

1) 2005年度事業報告

 会員の動態は,入会(個人41名,団体4件),退会(個人75名,団体12件)で,個人の退会者のうち30名が会費滞納による除籍である。2005年度末の会員数は955名。
 主な活動としては,『図書館界』第57巻1~6号の発行,第47回研究大会および第4回国際図書館学セミナーの実施などである。

質疑と意見

  • 研究大会シンポジウムについてどのような総括をしたか。
    シンポジウムの各報告については参加者アンケートでもおおむね好評であった。
  • シンポジウムの発表内容はよかったと思うが,発表者が5人というのは欲張りすぎで,事例発表者の時間が短くて,午後の討議へ結びついていない。
    発表時間に強弱をつけたが,未消化の部分もあった。今後,討議へつながるよう努力したい。
  • 会員数の減少が言われているが,正規職員で司書有資格者でも入会していない人がけっこう多い。また,若い現場の職員が入ってくれない。もっと現場とつながるような企画や記事を増やしてほしい。
    『図書館界』への若手の投稿をもっと増やす工夫をしていきたい。
  • 私は司書講習で図書館団体を4つ紹介して,入会を奨めている。その一つに日図研をあげている。
  • 会費について,正職員と,アルバイトや退職して無所属になった人との間で違う金額設定をしてはどうか。
    これまでにも話題になったことがあるが,理事会で検討したい。

2) 2005年度決算報告および3) 2005年度監査報告の提案

 いずれも『界』58巻1号を参照。
監査報告の中で,収入が減っているので,今後予算の作成にあたっては支出を抑える必要があると,監事から指摘があった。

質疑と意見

  • 評議員会に出席のため,遠方の方には交通費の他,宿泊費も支出しているのか。
    午後からの開始としているので宿泊費は支出していない。
  • 研究大会への補助金を決算に計上しているが,あえてここに出さなくても大会の決算に出すだけでいいのではないか。
    研究大会開催にあたって会場校からいただいたもので,研究会に補助があったとして表に出したほうがいいと判断した。

*2005年度事業報告を承認
*2005年度決算報告および監査報告を承認

4) 2006年度事業計画案

 事業計画案(『図書館界』58巻1号参照)を西村事務局長が説明。

5) 2006年度予算案

 一般会計予算案、同特別会計予算案、同第2特別会計予算案(『図書館界』58巻1号参照)を西村事務局長が説明。

質疑と意見

  • 現職理事長の論文集を刊行する計画について経過を含めて詳しい説明がほしい。
    今年の1月,「塩見昇先生の古希を祝う事業会」(代表:川崎良孝氏)から『塩見昇論文集』(仮題)を日図研から出版したいので検討してほしいとの依頼があり,2月開催の理事会で検討した。日図研が本を刊行するにあたっては,(1)市販では難しい図書,(2)良質のテキスト,(3)日図研に直接関係する図書の場合に限っており,今回は(3)に該当するものとして刊行を承認した。
  • 5月22日開催の九州ブロックセミナーについて,関係の会員から質問が出ているようだが事情を説明してほしい。
    九州の会員から開催についての申し出があり,企画案が理事会に示され,理事会としての意見を出した。その後,担当理事と申請者の間での連絡や企画内容についての行き違いがあり,実施直前に担当理事へ質問が来ているが,まだ理事会で協議していない。今回の場合は,企画案が理事会に出される前に申請者が講師希望者と折衝していた。しかし九州での開催が続いているので,他のブロックからの申し出を待つことが必要として保留し,担当理事と現地との間でもう少し調整することになっていた。その後の担当理事の対応が適切さを欠いたことは否めない。次の理事会で協議し,今後のブロックセミナー開催がスムーズにいくように,企画の仕方,具体化のマニュアル化などを検討したい。
  • 会員から事前に寄せられた意見【後掲】のうち,『新・大学生と図書館』の販売数が少ないこと,及び一般の市販ルートに乗せる件について。
    従来より研究会の出版物は流通マージンのことがあり,一般の流通には乗せないで直販を主にやってきた。まだ刊行から日が浅く,書評が『界』に掲載されたことやPRも進めているのでもうじき売れると考えている。
  • 研究会周辺だけではなく広く販売する方策を考え,普及するようにすすめてほしい。
  • また,事前に寄せられた意見で,若い人への論文指導プログラムを望む,という件について。
    論文指導プログラムというのは日図研では難しいと思う。それよりも論文テーマを見つけ探し出せるようなことを考えてみてはどうかと思う。
  • 寄せられた意見の趣旨を汲めば,プログラムというよりは若い人の意欲を引出し,励ますような仕組みを研究会として考えることも大事かと思う。
  • 予算案の会費収入では何年度分何人と記載したほうがいいのでは。また,970人という会費見込みがかなり強気だと思うが,今の状況では押さえ気味にしたほうがいいのではないか。
    決算で記載しているような表示にすることも一案だろうが,予算はやはりその年度の会員数をあげるのが基本だろう。2005年度決算で2006年度以降分の会費収入がやや少なめであったので,2006年度についてはこの程度の収入は見込めると考えて計上した。
  • 会費を滞納してそのままになっている,いわゆる幽霊会員というのはいるのか。
    日図研ではかなり厳格に対応しており,会費を納入しない会員は1年を超えずに除籍扱いにしている。
  • 特別会計で印刷費が350万円計上され,新刊予定2点等となっているが,事業計画で予定しているものだけでは350万円は多いのではないか。
    予定している新刊以外にも年度途中で予算が必要な場合があることも想定して計上している。
  • 印刷の出し方について,例えば3社くらいから見積りを取って最低の見積りをした業者にするというようなやり方はしていないのか。
    『図書館界』の印刷も含めて長年お願いしている業者に依頼している。専門誌なのでノウハウの問題もある。

*2006年度事業計画案、2006年度一般会計予算案、同特別会計予算案、同第2特別会計予算案のいずれも承認。

6) 意見交換

  • 愛知県田原市立図書館で利用者の利用実態を探るためアンケートを実施した。
  • 中国ブロックセミナーを山陰地域で開催した。学校司書の働きや公立図書館との連携をテーマとし,64名の参加を得た。
  • ブ手県立図書館が指定管理者制度を導入しているが,報道による県内への影響があり,危惧している。運営は県がしており,実態は限りなく大規模な委託に近い。
  • 出版物は,流通に乗る,乗らないでやはり売れ行きが違う。インターネットの出版情報にのるように考えてほしい。また,会員からの意見の受付け,論文の投稿も,ネットをさらに活用してほしい。
  • 図書館学教育研究グループの活動で司書課程の存在意義を問い返すことを研究テーマとして検討してほしい。
  • 会費の設定では非正規職員の扱いや学生会員の検討などもしてほしい。日図研は館種を超えた研究会として,様々な交流ができていいと思っている。評議員に大学図書館員が少ないのでもっと増えてほしいと考えている。
  • 会計報告を聞いていて繰越金が多いように感じた。また今年度いくら使ったのかの小計がほしい。
  • 国際図書館学セミナーは大変よかったと思う。今後とも充実してほしい。また,IFLA大会が今年は韓国で開かれるので,これへの参加も広げてほしい。
  • 小郡市立図書館では,4月からいままでの運営団体である公社がそのまま指定管理者になったが,職員は半数近くになった。
  • 北陸では市町村合併に伴って,小,中学校に学校司書が結構多く配置され,合併がいい方向に向いている。石川県では白山市が充実しており,その影響が県内に及んでいる。

*2006年度事業計画・予算案について事前に寄せられたご意見

1.2006年事業計画のうち,資料販売について日図研の本はMARCがない,という話を聞いたことがあります。『新・大学生と図書館』売上げ25冊というのはいかにも少ないので調べてみましたが,千葉県の横断検索では1館も所蔵なしでした。現在いる職場は市販MARCとは無縁の職場なもので確認できませんが,この結果を見ると,例えば,TRCの週刊新刊全点案内に載らなかったおそれがあります。出版広告のチェックもままならない現場では,図書館関係の本さえ通常ルートに乗らないと購入漏れが発生します。2.2005年度図書館研究奨励賞が該当なし,だったことについて論文の投稿を呼びかけられていますが,論文指導プログラムのようなものは企画出来ないでしょうか。例えば,上記の,使用MARCによって選書が制限されていることなど,公共図書館を離れて初めて見えてきたことでしたが,このことが「論文作成に値するのか」「どうやって書いたらいいのか」わかりません。夜間の修士課程に通い,経済的・時間的余裕もない中,文学部で卒論を書いただけの自分にとって,実学である図書館学について,『界』への投稿論文を一から立ち上げるのはとてもハードルが高く思えます。とはいっても,私の所属する看護系の図書館では,勤務年数が長いことや,学校の場合,公立よりは時間的余裕があることも手伝ってか,論文発表が盛んで,見習わなければと思っています。図書館史だけではなく,図書館の技術に関する論文がもっとたくさん現場から書かれる仕掛けを是非ご検討下さい。

出席者

《評議員》((北海道)森昌彦,渡辺重夫,(東北)片野裕嗣,(関東)小田光宏,斎藤文男,阪田蓉子,山本順一,(北陸)参納哲郎,(東海)小木曾真,酒井信,田中敦司,(近畿)高鍬裕樹,土居陽子,深井耀子,前川敦子,前川和子,村岡和彦,村上泰子,脇坂さおり,(中国)田井郁久雄,白根一夫,(九州)永利和則
出席22人 委任状提出6人 計28人
[評議員定数 28人.成立要件 15人以上]《理事長》塩見昇《事務局長》西村一夫《理事》飯田寿美,川崎良孝,木下みゆき,寒川登,柴田正美,志保田務,竹島昭雄,松井純子,山本昭和,吉田憲一,渡辺信一,渡邊隆弘《監事》伊藤昭治、西田文男《事務局》遠藤眞次郎、塩見富江

(文責:西村一夫 本会事務局長)