以下に掲載の事業計画案等は、2007年6月3日開催の本会評議員会で承認されました。

本ページには、『図書館界』59巻1号(2007.5)掲載の日本図書館研究会決算・予算・事業計画関連文書のうち、事業計画(案)と各役員による説明・呼びかけ文を掲載しています。決算・予算表等は省略していますので『界』と合わせてご覧ください。
事業計画(案) / 理事長 / 事務局長 / 編集委員会 / 研究委員会 / ブロックセミナー担当


2007年度事業計画(案)

日本図書館研究会理事会

〈研究活動〉1.『図書館界』第59巻1~6号の編集・発行
2.第49回研究大会,2007年度図書館学セミナー,研究例会,特別研究例会の開催
3.ブロックセミナーの開催
4.上海市図書館学会との学術交流:第5回国際図書館学セミナーの開催(於:上海)、論文の相互掲載
〈出版活動〉5.『図書館資料の目録と分類』の改訂
〈研究の奨励と会の拡大に関わる活動〉6.障害者会員への『図書館界』の点訳化
7.図書館研究奨励賞の授与
8.国際交流の推進
9.会員・研究グループの研究活動の助成
10,留学生への『図書館界』の無料頒布
11.会員および購読者の拡大
12.ホームページの維持と改良
〈その他〉13.その他本会の目的にそった事業


2007年度事業計画等の提案にあたって

理事長 川崎良孝

 本会2007年度の事業計画等を以下の通り提案いたします。

 本会は昨年度の図書館学セミナー,研究大会シンポジウムにおいて「教育基本法と図書館」,「“2007年問題”と図書館の今後」を取り上げた。時代の動きを見据えたテーマ設定であったが,その動きが具体化するのが本年度の大きな焦点となろう。

 いうまでもなく,教育基本法は社会教育法 ― 図書館法の基盤をなす教育の根本法であり,戦後60年,その改変はなかったが,2006年12月の強行採決によりまったく新たな法となったと評される「改正」が行われた。その影響は社会教育法 ― 図書館法にも及ぶことは必至である。図書館事業の基本にもかかわる問題であり,第17条の帰趨も含めて注目していかねばならない。

 いわゆる「2007年問題」は,シンポジウムでも論議されたように,日本社会の雇用構造の変化が激しい中で,長年の経験の蓄積を必須とする専門職員職場のこれからに深刻な影響をもたらすであろう側面と,大量の退職者を図書館のユーザーとしてどう受け入れ,図書館利用者の層を厚いものとしていくかというサービスの課題を含んでいる。

 ともに「図書館と社会」を考える重要な視点であり,研究会の活動の中でも積極的な取組みが欠かせない。引き続きの予算・財政の緊縮,それと表裏をなす職員問題はすべての館種にわたって厳しさを増しており,図書館の「これから」を考える課題は山積している。

 こうした情勢を踏まえて,本会の事業としては,一昨年以来の〈公立図書館の果たすべき役割〉を問う誌上討論の成果を確認するとともに,新たな課題設定にも積極的に取り組んでいきたい。会員各位の積極的なご参加,ご発言を期待したい。

 定例化している上海図書館学会との学術交流は,本年度は上海に出かける3回目であり,双方の直面する課題,現況が率直に交換され,実りある事業となるよう努めたい。

 本年度の役員体制は,2月に行われた2007~08年度役員選挙の結果を受けて,一定程度の世代代わりもあり,新たな顔ぶれを加えて発足する。

 これまでの6期12年間は塩見昇理事長であったが,今期から川崎が重責を担うことになった。会員の皆さんのご支援,ご協力を切にお願いしたい。

 以下に収めた事務局長及び各委員長からの提案説明,抱負と事業計画,予算案等の内容をご検討いただき,6月3日に予定している評議員会(本会の実質的な最高議決機関)の審議に向けて,会員の皆さんからのご意見,ご提言を多数お寄せくださることを希望します。お寄せいただいたご意見等は当日の討議資料として活用させていただきます。

(かわさき よしたか 京都大学)


事業計画・予算案の提案説明

事務局長 西村一夫

1.2006年度決算

 2006年度決算ですが,一般会計は会員数が減っていますが,なんとか前年度並みの繰越金を残すことができました。しかし,特別会計は売上げが伸び悩んでおり,苦しくなっています。以下,予算と大きく違っている項目を中心に説明します。

 一般会計の「収入」では,「会費」が予算よりも約23万円上回っています。個人会員の会費納入が予算より55人分多いことによります。これは『図書館界』3月号の発行日(3月1日)がほぼ守られたことにより,多くの会員から2007年度分の会費が納入されたことによります。さらに,『図書館界』の売上げが予算より約50万円増加しています。しかし,これは2005年度分が含まれておりますので2007年度は少し減る予定です。一方,「支出」では,「会合費」,「研究助成費」,「印刷費」などは例年すこし余裕を持って組んでいます。「雑誌刊行費」については,昨年は予算を105万円上回りましたが,今年度は予算通りの執行となりました。一方,「研究助成費」については,ブロックセミナーが2件あり,ほぼ想定した範囲での執行となりました。開催場所が西に偏っておりましたが,東北ブロックでの開催があり,今後は全国各ブロックでの開催が期待されます。「国際交流費」は特段の事業がなかったことにより,執行金額が少なくなっています。「組織強化費」が未執行となりました。組織強化が言われており,計画的な活動が必要です。「払込料負担費」ですが,手数料の値上げによる増額となっています。2007年度は増額予算となります。「消耗品費」はコンピュータの修理のため予算をオーバーしました。

 特別会計ですが,『図書館資料の目録と分類』は150万の予算にたいして145万でした。例年予算を上回るのですが,今年度はわずかですが,下回りました。また,『新・大学生と図書館』が50万円の予算に対して32万円,『子どもの読書環境と図書館』が40万円の予算に対して28万円となり,いずれも予想より販売数が伸びませんでした。2007年度は販売を強化する必要があります。『図書館の発展を求めて』は塩見昇先生古稀記念事業会からの収入であり,予想されたものです。一方,支出の方ですが,「印刷費」は『子どもの読書環境と図書館』と『図書館の発展を求めて』の作成費でほぼ予算通りでした。また,「上海市図書館学会との交流」では国際図書館学セミナーを開催しない年でしたので,翻訳料だけでした。「役員選挙費」は2年に1回計上するもので予算内での執行となりました。全体として繰越は昨年より100万円少なくなって1,700万円になり,今後,出版物の販売をよりいっそう進める必要があります。

 第2特別会計,いわゆる「図書館研究奨励賞基金」は,奨励賞副賞の10万円を執行しましたので,1,133万円の繰越となりました。

 このように財政面では年々厳しい状況になっています。2007年になってより一層深刻な状態が進むと思われます。個人会員数を減らさないことと,団体会員の継続が大事だと考えています。着実に個人会員数を伸ばすには,毎年80名の入会者が必要です。個人会員,団体会員の入会に向けて,会員の皆さんのご協力を,あらためてお願いしたいと思います。

2.2007年度事業計画案

 ここに提案する事業計画・予算案の審議と承認は評議員会(6月3日開催)の役割ですが,会員の皆さんの声を反映させたいと思いますので,本誌綴込のハガキや電子メール(アドレス:nittoken@ray.ocn.ne.jp @は半角で)等で事前に事務局まで,ぜひご意見をお寄せください。

 「研究活動」では,『図書館界』の年6回刊行,研究大会,図書館学セミナー,ブロックセミナー,研究例会,愛知研究例会があります。ブロックセミナーは全国各地域で開催することを目指しております。2006年度は九州と東北で行いました。年度内に2ヶ所程度は開催可能ですので,いままでに開催していない地域の評議員,会員の皆さまのお申し出をお待ちします。

「出版活動」では,『図書館資料の目録と分類』の改訂を予定しております。「研究の奨励と会の拡大に関わる活動」では,「留学生への『図書館界』の無料頒布」が7年目に入ります。これは,図書館研究の奨励と国際交流の一環として,日本で図書館情報学を学ぶ留学生に,1年間を単位にして『図書館界』を寄贈し,図書館研究や図書館の理解に役立ててもらうという趣旨です。詳しくは52ページを参照して下さい。

3.2007年度予算案

 一般会計予算案については,会費収入をやや抑え気味にしています。もちろん新規の入会と継続して会に参加していただくことが大事ですので,この予算を上回ることを目指しています。広告料は昨年と同額です。昨年,新しい広告主も確保できましたが,今後とも新規開拓をする必要があります。支出については,2006年度の実績を基に検討して計上しています。「会合費」「印刷費」「通信費」など決算状況に合わせて見直しました。また,「払込料負担費」は手数料の増額にあわせて少し増やしました。

 「特別会計」の収入の方では,『図書館資料の目録と分類』を昨年と同様150万円計上しました。『新・大学生と図書館』に50万円,『子どもの読書環境と図書館』に30万円,そして『図書館の発展を求めて』は120万円を計上しました。一方,支出の方では,「印刷費」として100万円を計上しました。これは『図書館資料の目録と分類』の改訂版の印刷を見込んだものです。さらに,今年度は第5回国際図書館学セミナーが上海で開かれますので「上海市図書館学会との交流費」として60万円を計上しました。

4.事務局との連絡など

 財政を支えるのは会員の皆さまの力です。引き続き会費の前納,会員拡大,資料販売等にいっそうのご協力と積極的なご発言をお願いいたします。

 なお,事務局は毎週月・木曜日,午後1~5時にスタッフ(塩見富江)が常駐しておりますので,連絡はその時間帯にお願いします。ただし緊急の場合以外はなるべく文書,ファックス,電子メールでご連絡ください。

(にしむら かずお 松原市民図書館)


会員にとって意義ある雑誌にするために
―2007年度『図書館界』の充実に向けて―

編集委員長 松井純子

 『図書館界』編集委員長として2期目を担当させていただくことになりました。『界』というメディアの意義と性格をふまえつつ,より充実した誌面づくりに努めたいと思います。

 日図研は,公共・大学・学校図書館などの現場におられる図書館員と,図書館情報学および関連分野の研究者や教員,そして市民の立場から図書館に積極的に関わっていこうとする方々など,多様な属性とニーズを持つ約950名の会員で構成されています。図書館界全体が難しい状況にある中で,会員構成もニーズも変化してきていますが,一人一人のニーズを大切にしながら,『界』を多くの会員にとって意義のある雑誌にしたいと考えています。

(1)『図書館界』は投稿論文が中心です

 『界』は,会員の皆さまからの投稿論文を中心に編集しています。学術的な意義を備えた研究論文や,現場のすぐれた実践を理論化した実践報告,サービスや利用者の実態に基づいた調査研究報告など,日頃の研究成果を論文にまとめてご投稿下さい。近年は現職の図書館員ながら大学院で研究される方が増え,その成果を『界』に積極的に投稿して下さっています。そのような地道な研究を,『界』としても応援したいと思います。

(2)《現場からの提言》も歓迎します

 「論文では荷が重い・書きづらい。でも現場での問題意識や実践上の工夫などを幅広く知ってもらいたい」という時,《現場からの提言》にご投稿下さい。図書館の発展に少しでも貢献できる,それが《現場からの提言》のねらいです。開設から2年が経ち,投稿も着実に増えてきました。

(3)《書評・新刊紹介》《エコー》も投稿できます

 《書評・新刊紹介》は依頼記事が主体ですが,投稿も受け付けています。日図研事務局(nittoken@ray.ocn.ne.jp @は半角で)を通じて問い合わせていただければ,《書評・新刊紹介》に取り上げる予定の本をお知らせできます。「この本を《書評》に取り上げてほしい」といった要望でも結構です。
 《エコー》は,図書館界をめぐるさまざまなことがらへの意見・感想を個人として表明していただく場です。もちろん日図研や『界』への要望・批判でも構いませんので,ご意見をお寄せ下さい。

(4)誌上討論「現代社会において公立図書館の果たすべき役割は何か」は最終回を迎えます

 58巻5号で4度目の特集を組みましたが,この《誌上討論》も2007年度でいよいよ最終回です。過去4回の特集で登場された方やまだ登場されていない方,いずれの方々も討論への参加をお願いします。また,新しい特集企画の検討を開始します。

(5)『図書館界』58巻1号~6号の報告

 昨年度の『界』について概略を報告するとともに,刊行にご協力いただいた会員および各研究グループの皆さまにお礼申し上げます。

  • 論文 8(投稿論文のうち掲載に至ったもの)
  • 《現場からの提言》2
  • 《翻訳》1
  • 《特集・第47回研究大会》グループ研究発表 6,シンポジウム・パネリスト発表 5,討議
  • 《誌上討論「現代社会において公立図書館の果たすべき役割は何か」》論稿 5
  • 《特集・図書館学セミナー「教育基本法と図書館」》パネリスト発表 4,討議
  • 《追悼・南 諭造先生》追悼文 3,略歴・主要著作一覧
  • 《追悼・拝田真紹先生》追悼文 6,略歴・主要著作一覧
  • 《追悼・宇原郁世さん》追悼文
  • 《書評》7
  • 《新刊紹介》6
  • 《エコー》2

 その他,『界』投稿規程を見直すとともに,電子メールでの投稿を可能にしました(新・投稿規定は,本号の巻末をご覧下さい)。若い会員の方々を中心に,『界』に投稿しやすく,またその結果『界』がさらに充実するよう考えていきたいと思います。

(まつい じゅんこ 大阪芸術大学)


「研究」委員会の再出発

研究委員長 志保田務

 研究委員会は本会会員の研究・活動の発表,学習等の場として次の4事業を用意します。
1. 第49回研究大会の開催(2008年2月16~17日(土・日)か,17~18日(日・月)の予定?)[1日目]個人と研究グループの研究発表,[2日目]シンポジウムという構成です。
研究グループは助成金受給上研究発表が義務付けられています。ただし研究例会での発表で義務に代えられます。個人発表はグループ外での発表希望者に備えた制度ですが,一大会数名との限度があり,応募には審査,期限厳守との絶対条件があります。
シンポジウムは,図書館振興等重要なテーマについて多角的な論議をする場とします。シンポジウムのテーマに適した案をお持ちの方はご提案下さい。
本年度は『図書館界』59巻3号(9月)に個人発表等募集要項を掲載,4号(11月)に大会の次第を予告し,5号(1月)で正式にご案内します。
2. 図書館学セミナーの開催時宜に応じたテーマを設定し,学習,論議をおこなう場です。11月に開催します。セミナーのテーマをご提案いただくようお願いします。3. 研究例会の開催日常的な研究,活動報告の場です。年間7回程度開催し,本誌上に発表内容を記録します。計240回以上を数えています。お気軽に応募の意志をお聞かせ下さい。なお評議員会(6月3日・京大会館)の前,午前中に「特別研究例会」を開催します。4. グループ研究活動への助成この助成は,テーマをもって研究活動をし,研究大会に研究成果を報告する会員7名以上で構成するグループに対して行われます。各グループからの研究計画の提出を受け,本研究委員会で審査し,理事会承認を得て,1グループ年原則3万円を助成します。新グループ結成計画がおありの場合,研究委員(会)に,次年度以降の助成をご相談下さい。5. 本年度のモットーモットーは,[研究],[実践]を両睨みに,「査読誌」にふさわしい質を備えるよう図ることです。そのため,編集委員会等との連携を図って行きたいと思います。研究委員は委嘱制ですが,就任希望があればご希望をお寄せいただくようお願いします。 なお,研究大会,セミナーなどの会場探し,会場費に困難を覚えています。会員の所属される大学等で,会場提供の可能性をお持ちの場合,お申し出いただけますよう,伏してお願い申し上げます。

(しほた つとむ 桃山学院大学)


あなたの企画をお待ちしています

ブロックセミナー担当 竹島昭雄、北克一、呑海沙織

 ブロックセミナーは,会員のだれもが企画することができます。テーマ・講師・日時などについては,できるだけご希望にそうようにします。セミナーに要する経費は,日本図書館研究会で負担します。

 図書館学セミナー・研究大会・研究例会は近畿地区で開かれることが多いので,ほかの地区にお住まいの方にとっては,ブロックセミナーが最も身近なセミナーになります。タイムリーで内容の豊かなセミナーが各地でたくさん企画されることを期待しています。なお,連絡先は下記のとおりです。(→ 連絡先等)。

(たけしま あきお 栗東市立図書館)
(きた かついち 大阪市立大学)
(どんかい さおり 京都大学医学図書館)


過去の事業計画等