以下に掲載の事業計画案等は、本会評議員会(COVID-19のため本年度は通信評議員会)で審議されます。

本ページには、『図書館界』72巻1号(2020.5)掲載の日本図書館研究会決算・予算・事業計画関連文書のうち、事業計画(案)と各役員による説明・呼びかけ文を掲載しています。決算・予算表等は省略していますので『図書館界』と合わせてご覧ください。
理事長 / 事務局長 / 編集委員会 / 研究委員会 / 奨励賞 / ブロックセミナー担当


2019年度決算報告・2020年度事業計画・予算案


2020年度事業計画等の提案にあたって

理事長 原田隆史

 新型コロナウイルスの感染(COVID-19)が深刻化し,2月20日に厚生労働省からイベント等につい
て開催の必要性を改めて検討するようにという声明が出されたことを受けて,2月22日から23日
にかけて行う予定であった昨年度の研究大会を中止とさせていただきました。研究大会の前日という
直前での決定となってしまったことを,まずはお詫び申し上げます。皆様の中には,会場に向けて既
に移動されていた方もおられたことと存じます。ご迷惑をおかけすることとなり,誠に申し訳ござい
ません。
 私個人としても,準備を重ねてきていただいたグループ発表,個人発表をお聞きできなかったこと
は非常に残念です。内容をより充実させて図書館界誌上で発表いただけることを切に期待しておりま
す。
 その後,COVID-19が世界中で深刻化し,日本でも緊急事態宣言の範囲が全国に拡大されました。図
書館も多くが閉館となり,まだまだ収束への道筋も見えない状況となっています。会員の皆様も,普
段とは違う生活を続けておられる方も多くいらっしゃるかと存じます。
 このような状況を受けて,多くの大学でも前期(春学期)の全ての授業がオンライン配信とされてい
ます。また,社会生活でもテレワークの進展やオンライン診療などネットワークを介した活動が大き
く発達してきました。望まないきっかけではじまった変化ですが,今後の社会生活を変える転機にな
るかもしれません。
 図書館の活動も,COVID-19への対応だけにとどまらず,ネットワーク社会にあわせて大きく変化す
る必要が出てくる可能性もあります。また,ネットワーク対応だけではなく,障害者サービス,学校
教育との連携など図書館の活動に影響を与える要因は多く,図書館と図書館員は多様な変化への対応
を迫られる時代になってきたといえるでしょう。
 本研究会も多様な情報をタイムリーに提供することが従来以上に求められていると感じています。
さまざまな興味や関心をお持ちの会員の方々に対して,少しでもお役にたてるような活動を実現して
いきたいと思います。
◇   ◇   ◇   ◇
 2019年度の一般会計決算を見ていただければわかりますように,昨年度に引き続き日本図書館
研究会の財政は厳しい状況です。特別会計から一般会計に繰り入れを行うという形での運用が続いて
おります。このままの状況が続くと本会そのものの存続にも関わる事態だと憂慮されます。
 もちろん,日本図書館研究会にとって『図書館界』の充実や,ブロックセミナー,研究大会,研究
例会,さらに各研究グループなどの活動は生命線であり,これらを縮小することはできません。理事
会での電子会議の併用やWebページのリニューアルにより印刷費を削減するなど,可能な限りの経費節
減への努力を続ける所存です。また,新しい会員に参加いただくことは簡単なことではないと思いま
すが,活発な活動を行い,本会全体の魅力をアップすることで少しでも興味をもっていただける状況
を目指します。会員の皆様方のご指導とご協力をお願い申し上げます。
 以下に掲載する事務局長および各委員長,担当からの提案説明,事業計画,予算案などの内容を検
討していただき,本会の実質的な最高議決機関である評議員会(COVID-19のため本年度は通信評議員
会とさせていただきます)の審議に向けて,会員の皆様からの多くのご意見,ご提言を期待しており
ます。お寄せいただいたご意見等は通信評議会の討議資料として活用させていただきます。

                               (はらだ たかし 同志社大学)

事業計画・予算案の提案説明

事務局長 松井純子

1.2019年度決算
 2019年度は,原田新理事長の下,日図研の進むべき方向を模索する年となりました。前年度の
『界』400号のような多額の費用を必要とする大きな事業がなかったため,財政面では比較的堅調
でしたが,いくつかの事業に遅延があり,成果が2020年度に持ち越しとなったことは反省すべき
点でした。
 まず一般会計の《収入》です。「会費」収入は予算を若干下回りました。個人会員,団体会員とも
減少しており,予算確保が難しい状況があります。「『界』売上げ」は,バックナンバーの売り上げ
が比較的多く,予算を上回りました。「広告料」は予算どおり,「雑収入」「利息」は予算を上回り
ました。また,特別会計から60万円を繰り入れ,ホームページ(以下,HP)リニューアルおよびPC
買換えのため,「事務局費」として予算化しました。《収入》全体では,当初予算よりも約12万円
増となりました。
 次に一般会計の《支出》です。「雑誌刊行費」「印刷費」でやや予算オーバーした以外は,すべて
の費目で予算内に収まりました。しかし「研究助成費」では,ブロックセミナーの不開催と,新型コ
ロナウイルス感染拡大防止のため,2020年2月下旬以降,研究大会や研究例会を中止したことで,
本来の予算執行ができませんでした。このうち研究大会関連では,準備段階に発生した費用(予稿集
の印刷代など)は支出しています。しかし,中止にともなうシンポジスト等への経費補償は20年度に
持ち越しましたので,2020年度予算に計上しました。「国際交流費」は,昨年10月に上海で開
催された国際図書館学セミナーへの理事長の渡航費です。「組織強化費」と,「事務局費」に計上さ
れていたHPリニューアルのための予算50万円は実施が間に合わず,20年度に持ち越しました。
「予備費」に計上していた手話通訳費は執行がありませんでした。
 結果として,一般会計では約196万円が20年度に繰り越しになり,4年ぶりに年度収入だけで
支出を賄えた年度となりました。しかし,本来実施されるべき事業が持ち越しとなっており,それら
のすみやかな実施が現下の課題です。
 特別会計に移ります。《収入》のうち,刊行物の売り上げの合計が,予算を約22万円上回りまし
た。特に新刊『より活発に利用される図書館を目指して』が大変好評で,完売できたのは嬉しい限り
です。一方,『図書館・図書館学の発展:2010年代を中心に』(『界』400号単行本)の刊行
が大幅に遅れ,19年度は販売に至りませんでした。今後,多くの図書館や読者にご購入いただきま
すようお願い致します。
 特別会計の《支出》は,『より活発に利用される図書館…』の印刷費を執行しました。『図書館・
図書館学の発展』は19年度末の刊行となったため,執行が間に合いませんでした。同様に,年度内
刊行を目指していた『情報資源組織法』(『図書館資料の目録と分類』改題・改訂)も間に合いません
でした。上述のとおり,特別会計から一般会計に60万円を繰り出しました。結果として,特別会計
は次年度繰越金が前年度よりも約76万円増となりました。
 第2特別会計(図書館研究奨励賞基金)は,《収入》の「利息」が多く付きました。《支出》は,
奨励賞授賞者(p.37参照)への副賞と事務費のみです。
 第3特別会計(75周年記念事業積立)は,2021年11月に創立75周年を迎える本会の記念
事業を賄うものです。《収入》では,19名の会員から10万1千円もの「寄附金」が寄せられまし
た。この場を借りて厚くお礼申し上げます。一方《支出》は特段のものがなく,そのまま繰り越しま
したが,事業は少しずつ進展しています(p.52「実行委員会報告」参照)。
 以上により,2019年度は,一般会計196万円,特別会計1,826万円,第2特会1,05
7万円,第3特会257万円と,それぞれ多額の繰越金を確保できました。また一般会計は,単年度
収入約810万円(前年度繰越金・特会からの繰入れを除く)に対し,支出が約809万円で,わず
かに下回りました。4年ぶりです。しかしこれは,事業の遅延で予算執行が先送りされ,支出が抑え
られたにすぎません。会員の増加が見込めない現状では,20年度以降も一般会計の収入不足が続く
ことになるでしょう。悩ましい事態です。

2.2020年度事業計画(案)
 この記事を執筆したのは,新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」発出日(4月7日)
です。この時点で,2020年4月はもとより,5月以降少なくとも夏までの様々な行事・イベント
の開催が中止となっていました(東京五輪の1年延期は言うに及ばず)。したがって,本会でも例年
どおりの事業計画を立案できる状況ではなく,p.38の「2020年度事業計画(案)」は暫定的
な内容を含んでいます。特に,例年6月初旬に開催する特別研究例会や,秋に開催予定であった国際
図書館学セミナーは,延期となる見込みです。なお,行事の中止や延期については『界』やHPに掲載
するとともに,twitter,メルマガなどでも随時お知らせします。
 ブロックセミナーや研究大会・例会等,秋以降の行事は新型ウイルス収束の時期次第と考えます。
できるだけ平年並みに行事を行い,会員の皆さまの研究・研修・交流の場を提供できるよう努力しま
すので,ご協力くださいますようお願い致します。
 各種行事や会議以外の事業については,従来どおりの実施を予定しています。出版事業では『情報
資源組織法』(『図書館資料の目録と分類』改題,NCR2018年版対応に抜本改訂)を4月末に刊行
します。また75周年記念事業では,会員のニーズを把握するアンケートや座談会等を実施します。
さらに,HPの充実・速報性向上のためリニューアルを行います。

3.2020年度予算案
 2.事業計画(案)でも述べたように,2020年度は行事の延期または中止が見込まれるため,予
算案にも暫定的な面が生じています。
 一般会計の《収入》のうち「会費」は,個人・団体会員を10件分減らして予算化しました。学生
会員は2019年度と同じです。「広告料」は,外税方式に切り替えました。「役員選挙費」は,前
回選挙(現行の2019-20年度役員選挙)から一般会計に移して執行するようになりましたが,
それまでは特別会計の費目でした。現状では一般会計で「役員選挙費」の予算を確保することは困難
のため,前回選挙と同じく,今回も特別会計から費用40万円を補填します。
 一般会計の《支出》は,大半の費目で2019年度と同額の予算としました。しかし,新型コロナ
ウイルス感染拡大の影響で,各種委員会や理事会はWeb会議やメールベースでのやりとりに,評議員
会は通信形式に変更するなどの対応を図っています。その結果,「会合費」や「交通費」は支出減少
が予想されますが,現時点で予算案への反映は困難のため,昨年と同等の予算としています。また
「研究助成費」は,2019年度研究大会中止にともなう経費補償を含めて予算化しています。さら
に「国際交流費」は,国際図書館学セミナーの国内開催延期の見込みにより,昨年と同額にとどめま
した。
 「事務局費」には,昨年度執行できなかったHPリニューアルの予算50万円が再計上されています。
また,大阪府の最低賃金の上昇にともない,事務局員の時給を950円から1000円に改定しまし
た。
 一般会計予算案全体では,2020年度もやはり支出が収入を上回るという結果になりました。収
入の増加は容易ではなく,支出の削減も中々困難ですが,財政健全化に真摯に取り組むとともに,
『界』誌面の充実,HPリニューアルによるWeb発信の充実を図り,本会の魅力向上につなげていく所
存です。
 次に特別会計です。《収入》では,これまで柱であった『目録と分類』増訂5版とともに,新刊
『図書館・図書館学の発展』(『界』400号単行本),『情報資源組織法』の売り上げに期待して予
算を立てました。購入にご協力いただきますようお願いします。
 特別会計の《支出》では,『図書館・図書館学の発展』『情報資源組織法』の「出版印刷費」とし
て367万円を,「印刷編集費」に『情報資源組織法』に関わる転載料等を,それぞれ計上しました。
また,役員選挙のため40万円を一般会計に繰り出します。その結果,支出合計は465万円と多額
になりました。
 第2特別会計は,《収入》《支出》とも2019年度と同様の予算編成です。
 第3特別会計(75周年記念事業積立)の《収入》は19年度と同様ですが,《支出》は新たな事
業の実施を見込み,「交通費」20万円等を計上しました。
 以上により,2020年度も一般会計の赤字を特別会計から補填するという形は変わりません。こ
れを改善するには,収支を厳しく見直すだけでは不十分で,それ以上の抜本的な改革が必要です。理
事会でも,財政健全化の方策について様々な検討を行っていますが,館界の構造的問題もあって,決
め手になる方策は中々見当たりません。が,会員の減少に歯止めをかけ,多くのかたに入会していた
だき,日図研を活性化させる方策を引き続き検討していきます。
 会員の皆さまには,これからも当会の運営にご支援賜りますようお願い致します。また,当会の研
究大会・研究例会・セミナー等の行事に積極的にご参加いただき,日図研の活性化にご協力ください。
* * * * *
 ここに掲げた決算報告,事業計画・予算案の審議と承認は評議員会の役割ですが,会員の皆さんの
声をできるだけ反映させたいと思います。メールやFAX等でぜひご意見をお寄せください。当会の運
営や行事についての感想・要望等でも結構です。
 送付先:当会事務局(下記4.参照)
 送付期限:2020年5月30日(土)必着
※評議員会は,通信形式にて実施の予定


4.事務局への問合せ・連絡など
 入会申込や会費納入,出版物の購入,その他の問合せは,事務局までメールにてお知らせください。
なお,本会HP(http://www.nal-lib.jp/)に入会申込フォームや行事案内その他の情報を掲載してい
ます。
 本会事務所には,毎週月・木曜日の13時~17時に事務局員が常駐しています。直接の連絡はこ
の時間帯にお願いします。ただし,緊急の場合以外はできるだけメールまたはFAX,文書でご連絡く
ださい。
〒550―0002 大阪市西区江戸堀2―7―32 ネオアージュ土佐堀205号室
TEL&FAX:06―6225―2530
E-mail:nittoken@ray.ocn.ne.jp

                             (まつい じゅんこ 大阪芸術大学)

魅力ある『図書館界』を目指して

編集委員長 前川敦子

 『図書館界』(以下『界』)編集委員長を拝命して4年目,二期目後半となりました。『界』の魅
力や面白さを増し,皆様の希望に応えるべく,引き続き取り組んでまいります。以下,本年度の計画
をご紹介します。

1.投稿論文
 『界』の誌面の最も大きな柱は,図書館情報学の新しい知見の発表の場であることであり,会員の
皆様からの自発的な研究報告の充実が学術雑誌としての重要な基盤です。
 現在は,投稿論文の枠として,学術的な《論文》と,より実践的な報告・提言である《現場からの
提言》の2つの枠があります。学術活動と図書館現場から生まれる理論や実践をともに重視する本会
の特長を示した枠組みでもあります。いずれも査読者による評価を経た上で掲載の可否を決定します。
 ただ,《論文》《現場からの提言》いずれにも当てはまらず投稿しづらい,『界』はハードルが高
い,と思われる面もあるようです。より多くの書き手に投稿いただけるよう,枠組みの追加は必要な
いか,今年度中を目標に検討予定です。

2.《書評》・《新刊紹介》・《エコー》
 書評や新刊紹介は,誌面の幅を広げ,読む楽しみを増すものとして,今年度も積極的に掲載します。
編集委員会から執筆依頼させていただいた際にはご協力ください。投稿も可能です。また,会員の皆
様の声をお伝えいただく手段として《エコー》があります。情報提供や会員間の双方向な意見交換の
場としてご活用ください。
 なお勝手ながら,いずれも投稿規定の分量以内としていただき,採否は編集委員会にご一任いただ
くようお願いいたします。

3.特集・連載
 2019年度研究大会は残念ながら新型コロナウイルス感染防止のため中止となりましたが,大会
で予定されていた研究グループ報告は,例年同様2号に掲載予定です。なお今年度は図書館学セミナ
ーは開催なしのため,特集もありません。
 代わって今年度の新規企画として,「解説・カレントトピック(仮称)」を,3号開始予定で準備
中です。時宜にかなった様々なトピックの解説や課題整理,問題提起を依頼記事として連載予定です。
ご期待ください。

4.ホームページへの移行・連携
 今年度中盤に予定されている日本図書館研究会ホームページリニューアルに合わせ,現在『界』に
掲載している彙報類(報告・案内)の一部をウェブに移行予定です。速報性や分量の自由度を増し,
発表資料との同時公開を可能とするなどのメリットを生かせるよう,また一方で情報の一覧性や記録
性を損ないご不便をおかけすることのないよう,工夫しながら進めてまいります。

5.『界』71巻の報告
 昨年度の『界』は以下のような内容でした。
・《特集:第60回研究大会》シンポジウム・パネリスト発表4本,討議,グループ研究発表6本
・《特集:2019年度図書館学セミナー》シンポジウム・パネリスト発表5本,討議
・《論文》8本   ・《現場からの提言》1本
・《書評》6本   ・《新刊紹介》7本
・《エコー》2本  ・《追悼》1件
 投稿くださった皆様,また執筆依頼に快く応じてくださった皆様に心よりお礼申し上げます。

6.J-STAGEからのオープンアクセス
 J-STAGEからの『界』全文公開を継続します。50巻(1999)以降,刊行後1年以後の号はイン
ターネット上に無料で公開するとともに,個人会員には1年以内の号も閲覧できるID/パスワードを発
行します。不明な場合は事務局にご連絡ください。
 以上,編集委員一同『界』の内容充実に努めてまいります。よろしくご協力ください。

                          (まえかわ あつこ 富山大学附属図書館) 

研究委員会の主な事業について

研究委員長 日置将之

 2019年度は新型コロナウイルス感染症の影響で,残念ながら研究大会や研究例会に中止・延期が
生じてしまいました。この感染症の影響はしばらく続くと考えられますが,今年度も状況を注視しなが
ら可能な範囲で研究事業を実施したいと考えておりますので,ご協力をお願いいたします。
 以下,会員間の研究成果の発表・交流・学習等の場として,研究委員会が今年度担当する主な事業を
ご紹介します。

1.研究大会の開催
 2020年度の研究大会は,2021年2月~3月頃に2日間の日程で開催する予定です。例年と同
様,1日目は個人会員と研究グループの研究発表を行い,2日目のシンポジウムは図書館に関する重要
なテーマを取りあげて論議を行いたいと考えています。
 大会のお知らせは,本誌72巻3号(9月)に個人発表等の募集を,4号(11月)に大会予告を,
5号(1月)に正式な大会案内を掲載する予定です。また,本会のウェブサイトやツイッターアカウン
トにおいても随時ご案内します。

2.研究例会・特別研究例会の開催
 日常的な研究・活動報告の場として年間7回程度開催しています。会員・非会員を問わず基本的に申
込不要で参加可能とし,広く開かれた形での開催です。発表に関心がおありの会員はぜひご連絡くださ
い。なお研究グループは,研究成果の公開を,研究大会のほか,研究例会での発表で行うことも可能で
す。
 特別研究例会は,塩見昇氏(大阪教育大学名誉教授・日本図書館研究会元理事長)をお招きして6月
に開催する予定でしたが,新型コロナウイルス感染症の影響で延期することになりました。開催日等の
詳細が固まり次第ご案内します。

3.図書館学セミナーの開催
 本年は,国際図書館学セミナーの日本開催を予定していましたが,新型コロナウイルス感染症の影響
で1年程度延期することになりました。図書館学セミナーについても同様の理由で開催は見送らせてい
ただきます。

4.グループ研究への助成
 会員の皆様は,地域又は研究テーマごとに研究グループを組織することができます。また,会員7名
以上から構成される研究グループについては,研究委員会で審査し,理事会での承認を得た上で,原則
として年3万円を2年間にわたり助成しています。助成を受けた研究グループには,研究大会や研究例
会,本誌誌上などでの研究成果の報告をお願いしています。研究グループの参加は全ての会員に開かれ
ていますので,既存研究グループへの参加や新たな研究グループの結成については,各研究グループの
連絡先や研究委員会にご相談ください。

5.お願い
 研究大会・例会等のテーマや発表者についてご希望がありましたら,研究委員会までお知らせくださ
い。また,研究大会・例会等の講師のお願い・会場提供のご相談をさせていただくことがありますので,
ご協力のほど,よろしくお願いいたします。
 研究活動の発展には会員の皆様のご指導が必要不可欠です。引き続き,皆様のご協力をお願いいたし
ます。

                           (ひおき まさゆき 大阪府立中央図書館)

図書館研究奨励賞を若手・中堅の書き手へ贈る

図書館研究奨励賞選考委員会委員長 前川和子 担当理事 常世田良

 『図書館界』には,ベテラン,中堅,若手が,各々の専門分野,様々な立場の問題意識をもち,成果物
として投稿し査読の後にそれらが掲載されています。 
  当研究会の図書館研究奨励賞選考委員会は,機関誌『図書館界』に掲載された「論文」と「現場から
の提言」を対象に,図書館研究奨励賞を授与しています。その日は,毎年開催される研究大会の第1日目
で,表彰状と副賞10万円が授与されます。
  賞の対象となる掲載期間は3号から過去2年間で,2019年度は,2017年11月号(69巻4
号)から2019年9月号(71巻3号)に掲載された「論文」と「現場からの提言」を書いた若手ある
いは中堅の方が対象となります。(本賞の詳細につきましては,本研究会ホームページ「図書館研究奨励
賞」をご参照ください)。
  この賞は,故森耕一理事長の基金から始まりまして,1990年が第1回でした。当選考委員会は,
本誌の 査読を経て掲載された若手あるいは中堅の中から,学術論文としての質と当該研究分野の発展性
から,さらに期待できる方にこの賞を授与しています。授賞によって,図書館・図書館情報学発展のため
にさらに研究を続けて頂くことを望んでいます。あるいは「現場からの提言」がもつ実践から理論への道
を応援したいと思います。
  実際に受賞された方々のその後のご活躍は,素晴らしいものです。この賞によって自信と確信を得て,
新たな研究への道を邁進されることを期待しています。
  この賞は,担当理事をはじめ,内外の選考委員によって選考委員会を組織していますが,それ以外に会
員の皆さまのご参加も呼びかけています。会員全体の関心を集め,図書館および図書館情報学の新しい書き
手を見出すというシステムをもっています。今年も第4号(11月号)に「日本図書館研究会図書館研究奨
励賞選考にご参加ください」の見出しで,会員の皆さまの選考への参加(ご推薦)を募集します。さらにユ
ニークな点は,「推薦」を「自薦または第2以下の共著者による推薦を含む」と広げているところです。も
ちろん「自薦」は,当委員会内の秘匿です。締め切りは12月の中旬を予定しています。日頃から機関誌を
お読みになっている中で,会員の皆さまのご推薦を頂き,より選考が盛り上がることを期待しています。
  この奨励賞が,受賞者にとってはもちろん私達会員にとっても,図書館・図書館情報学の未来を切り開
くことに繋がると信じたいと存じます。
               (まえかわ かずこ 前大手前大学)(とこよだ りょう 立命館大学)

ブロックセミナー開催のお誘い

ブロックセミナー担当 川﨑千加 山口真也

 日頃,遠方まで研究会などに参加したくても行けない,という会員の方も多いかと思います。各地域で気
軽に足を運んで,地元で図書館をテーマに議論できる場を設けたい。最新の研究成果に接することができる
講演会を開催したい。地域の図書館活動の実践や,地元の図書館員の研究成果を発表する機会を設けたい。
ブロックセミナーは,こうした要望に応えるために,各ブロックの会員の申し出によって開催されます。開
催にかかわる経費は,原則として全額を日本図書館研究会が負担します。
 しかし,2018年度に宇都宮(関東地区)でブロックセミナーを開催して以降,2019年度は残念なが
ら希望がなく,開催ができませんでした。各会員をはじめ図書館を取り巻く状況が厳しく,会員数も減少し
ている中ですが,こんなときだからこそ,各地域で図書館や図書館に関わる人々との交流の場,図書館につ
いて考え,語り合う場が持たれることを願っています。ブロックセミナーを通じて各ブロックにおける日本
図書館研究会の活動が活発になることを期待しています。
 企画については担当理事の川﨑・山口にご相談いただくか,下記の事務局あてご連絡ください。
 連絡先:日本図書館研究会事務局
 電 話:06―6225―2530(月・木曜13時~17時)
 E-mail:nittoken@ray.ocn.ne.jp
        (かわさき ちか 大阪女学院大学・短期大学講師)(やまぐち しんや 沖縄国際大学)

過去の事業計画等